やたら気合の入った訳だったので、こちらもうぉうぉ唸りながら読んだ。
原文は彫り込まれた石像のような文章だとか解説に書いてあったけど、確かに相当にごつい、かつパッションに溢れている。
アッシェンバッハは終始少年のことを舐めまわすように観察するんだけど、ひいてしまうより前に、引きずり込まれてしまうような強引さがこの小説にはあって、自分も一緒になって少年の肢体をじろじろ眺めて、ハァハァする。(いってよしあおによし奈良の都は咲く花のストーップッ!)
でもアッシェンバッハの観察はきめが細かくて、少年のしぐさから表情の変化からことごとくねちねちむらむらと観察しては、思い込みは空を超えてラララ星の彼方。
挙句の果てにコレラにかかって死ぬところは、壮絶、細菌というのがヨーロッパならでは感が出ている気がする。


視線の先の風景とそれによっておこる思考の移り変わりとそれをつつみこむ沈黙と、これは映画的だーということも感じて、最後のほうにアッシェンバッハが狂ってきて顔にお化粧してもらうところとか、上手いこと映像にしたらこれはなかなか恐ろしいぞ、そんで首にダイナマイト巻いてドーンッ!というように気狂いピエロの迫力と結びついたなぜ


最近海外文学の摂取量が増えてきている。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索