海と毒薬 (新潮文庫)
2009年9月2日 読書
運命の流れを変えることはできないっていう諦めが軸になって、ますます途方にくれていく勝呂研修医を、
次の患者にどれだけ斬新な手術を試すかを嬉々として話す上司だとか、アメリカ兵士のばらばら死体を暢気にビデオ撮影する上司だとか、はさみで肋骨を砕く音だとか、取り出した肝臓を意気揚々と食らう将官たちだとか、
絶望的に狂った価値観が、いじめる。
遠藤周作は、ニヤけながら主人公を追い詰めて、自ら苦しんでいる、と思う。いやでも、常に挑戦的にニヤけているなあ。もはや怖い。
次の患者にどれだけ斬新な手術を試すかを嬉々として話す上司だとか、アメリカ兵士のばらばら死体を暢気にビデオ撮影する上司だとか、はさみで肋骨を砕く音だとか、取り出した肝臓を意気揚々と食らう将官たちだとか、
絶望的に狂った価値観が、いじめる。
遠藤周作は、ニヤけながら主人公を追い詰めて、自ら苦しんでいる、と思う。いやでも、常に挑戦的にニヤけているなあ。もはや怖い。
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