頭が先行している自分は一番醜い。

そして、あー、また言葉になっちゃったなぁ。という。
言葉になってしまった感情に、風景に、人に、
僕はイチイチ謝る。

だって二度と取り戻せないんだもの。
その時その場所に、容赦なくピンで固定されていく、ような。
彼らはいつも窮屈そうだ。




言葉の果実がなっている。
その真ん中で大きなあくびをする。
大きな大きなあくびをする。

そのうちのひとつを手にとって、でもその瞬間にはじけてしまっていて、僕は少しばかり呆気にとられてしまう。
しかし、しばらくして、僕は微笑む。

何故。
それは、彼らがまだ生きていたから。

彼らの心臓は、鼓動を打ち続けている。
ひとつひとつ、丁寧な鼓動を、止めようとしないんだ。

そっとそれを口に含む。
トマトの味だ。




そこで初めて僕は涙を流すことに決めている。
今はまだ、栄養をうまく補いながら、前に進もうと思う。
くたばってしまわないように。
丈夫な身体と、その中に宿る精神をいたわりながら。
感覚だけは研ぎ澄ませて。

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