目一杯怒りをこめた彼女の手のひらが、僕の頬めがけてとんでくる。
ヒーッ
僕は思わずテレビのリモコンを手に取る。一時停止!
目の前で止まる。あと0.003秒のところで、致命傷を負うところだ。
しばらく指先を眺めてから、工具が詰め込んである引き出しをあけて、超高性能レーザーポインタをとりだす。出力を最大限に上げて、彼女の指の辺りで小刻みに震わせて、ジグザグに動かす。超高性能だからその切れ味は鋭くて、彼女の指は約1200個のパーツにばらばらに分かれた。
パズルのピースを並べるみたいに、ばらばらになった指をランダムに並べ替えてみたら、別に1つの絵ができあがったりはしなかったけど、積み木遊びみたくなってきて(2次元→3次元)、その指の断片でオブジェを造った。空間にきちんと固定されたその傑作を眺めていると、再生ボタンを押すのがますます惜しくなってきたので、いや、いっそ巻き戻してしまえ。ピッ。
「このベーコンレタスバーガーのレタス、萎びれてるわ。」
「しょうがないよ。多少の怠惰はつきもの、見て見ぬ振りをすることさ、この資本主義の世界ではね。」
ヒーッ
僕は思わずテレビのリモコンを手に取る。一時停止!
目の前で止まる。あと0.003秒のところで、致命傷を負うところだ。
しばらく指先を眺めてから、工具が詰め込んである引き出しをあけて、超高性能レーザーポインタをとりだす。出力を最大限に上げて、彼女の指の辺りで小刻みに震わせて、ジグザグに動かす。超高性能だからその切れ味は鋭くて、彼女の指は約1200個のパーツにばらばらに分かれた。
パズルのピースを並べるみたいに、ばらばらになった指をランダムに並べ替えてみたら、別に1つの絵ができあがったりはしなかったけど、積み木遊びみたくなってきて(2次元→3次元)、その指の断片でオブジェを造った。空間にきちんと固定されたその傑作を眺めていると、再生ボタンを押すのがますます惜しくなってきたので、いや、いっそ巻き戻してしまえ。ピッ。
「このベーコンレタスバーガーのレタス、萎びれてるわ。」
「しょうがないよ。多少の怠惰はつきもの、見て見ぬ振りをすることさ、この資本主義の世界ではね。」
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